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組織風土は何によって決まるか

Dsc_3897_01 昨日(6/12)、神戸大学で行われた「組織変革、組織開発、意識改革」をテーマにしたワークショップに参加してきました。

神戸を訪れるのは22年ぶりになります。

ワークショップには、神戸大学の金井壽宏教授、スコラコンサルトの柴田昌治さん、90年代にいすゞ自動車で風土改革を推進していた北村三郎さん、その当時の社長の稲生武さんの4名が登壇されました。

そこで聞いた話の中から、お気に入りの話を一つ紹介します。

『失敗学のすすめ』でお馴染みの畑村洋太郎さん。現在は東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長をされています。

その畑村さんが著書の中で、JR東日本とJR西日本の社風の違いについて述べられているそうです。

その件について、いすゞ自動車の会長を退任後、JR東日本の取締役を務められた稲生さんが関連するエピソードを紹介してくださいました。

まず、JR西日本の経営会議資料を見ると、至る所に「収益性」という言葉が見られるそうです。ここからJR西日本が最も大切にしているものが「収益性」だということが分かります。

それに対して、JR東日本の経営会議資料には「安全性」という言葉がたくさん見られるそうです。「ここまでやるか?」と思うほど、JR東日本は安全性に対してはとことん経営資源を注ぎ込みます。

3.11の東日本大震災が起きた瞬間、JR東日本では27本の新幹線が全速力で走っていました。しかし、ただの1本も脱線しなかったそうです。

2004年に中越地震が起きた時、JR東日本では何本かの新幹線が脱線してしまいました。そのため、その原因を分析し、徹底的な安全対策を打ってきたのです。

ただ、中越地震で脱線した新幹線も、全て真っ直ぐ止まったため、事故を起こした車両は1台もありませんでした。

その時の社長は、記者会見で上越新幹線の復旧見通しについて、12/28までには復旧させます、と約束しました。

現場もそれに答えるべく、確実に安全に復旧に向けての工事を進めました。

社長は現場を信頼しているし、現場も社長を信頼していたのです。

ここが東京電力とも大きく違うところです。

そして、JR西日本でセミナーを行った柴田さんによると、残念ながらJR西日本の経営陣は、現場を全く信頼していなかったそうです。東京電力も一緒です。
ということは、現場も経営陣を信頼していないということにもなります。福島原発の吉田所長を見れば一目瞭然ですね。

さて、中越地震後、工事が完了した上越新幹線では、試験用の車両を走らせました。

その車両の運転室には、JR東日本の社長の姿がありました。

この話をする時、稲尾さんは少し涙ぐんでいました。

経営者が社員を信頼するということ、これが如何に大切か・・・胸に沁みる話でした。

ワークショップの後、4名を囲んでの懇親会に私も参加させていただきました。

六甲道にあるイタリアンレストランで、ワインを傾けながら、皆さんの話に酔いしれました。

贅沢な日曜日になりました。

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